西村コレクションは、情報工学科(旧数理情報工学科)設立の中心メンバの一人である西村恕彦教授(現名誉教授)が収集した、計算機の部品5000点、マニュアル2000冊を有する日本国内でも有数の計算機コレクションです。
膨大なコレクションの中から日本や世界の計算機開発において特徴的なものを選び、その写真をご紹介します。
タイガー計算器(虎印計算器)は、大本虎治郎が4年の歳月を掛け、東洋における最初の計算器として1920年(大正12年5月)に商品化し、日本中に普及した「手回し計算機」です。重さ6キログラム、520種、1442点の部品から構成されています。この1台で、加算、減算、乗算、除算を行うことが可能でした。
日立製コンピュータHITAC5020Fにて使用されていたレジスタ(置数器)です。レジスタは演算のための1つの数値を保持する高速回路で、通常は多数のトランジスタや真空管を組み合わせて作るため費用が掛かります。テレビ用の電磁遅延線を応用することで、安価な高速の回路を実現しました。
コアスタック、2.4マイクロ秒。コア(磁心)を正方形に配置したものをコアプレーンと呼び、コアプレーンを写真のように配置した形式をコアスタックと呼びます。コアプレーンは4096ビットで、これがアドレスに対応します。つまり、0番地から4095番地(4キロ語)となります。このスタックが4スタックとなり、16キロ語(約9キロバイト)となります。