山井成良教授が2018年7月4日(水)〜6日(金)に開催された情報処理学会
マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO 2018)において
学術・技術の普及に貢献する優秀な発表を行ったことが評価され,「優秀プレゼ
ンテーション賞」を受賞しました.
山井 成良「電子メールの柔軟な処理を可能とするIMAPエージェント」
2018年7月6日受賞
本学科の修士学生の並木研の濱田君(福井工業高等専門学校から編入)、市川君(SAILプログラム受講)、山田研の清水君(SAILプログラム受講)らのチームが国際的なコンテストWCTFで優勝しました。
コンテスト名: WCTF(We Create The Future) 2018
開催日程: 2018年7月6日〜8日
開催地: 中国 北京
競技概要: 情報セキュリティに関する問題を競技形式で解くコンテストで,世界中から実力が認められた10チームが招待されスキルを競い合った.「TokyoWesterns」として参加し,優勝を果たした.2位はポーランドのチーム,3位は韓国のチームであった.
公式HP: http://ctf.360.com/en/index.html
順位: https://tech.china.com/article/20180708/kejiyuan0531163627.html
参加した学生: 濱田槙亮,市川遼(並木研), 清水祐太郎(山田研)
本専攻 川田涼平君(藤田桂研究室 修士1年生)が,下記の発表で情報処理学会第80回全国大会・大会奨励賞を受賞しました.
本賞は全国大会での優れた発表者に授与されるものです.
川田涼平、藤田桂英、”複数同時交渉のためのHypervolumeに基づく協調度”
情報処理推進機構(IPA)の2017年度「未踏IT人材発掘・育成事業」において、採択された未踏クリエータの中から、中條研究室の照屋大地くん(D1)が、卓越した成果を挙げたと認められ、2017年度の「スーパークリエータ」として認定されました。
プロジェクト名:CPU+FPGAプラットフォームのためのRubyベースの開発環境
「未踏」は、経済産業省所管である独立行政法人情報処理推進機構が主催し実施している、”突出したIT人材の発掘と育成”を目的として、ITを活用して世の中を変えていくような、日本の天才的なクリエータを発掘し育てるための事業です。
特に卓越した能力を持つと認められたクリエータを「スーパークリエータ」として認定しています。
現在の8学科が生命工学科、生体医用システム工学科、応用化学科、化学物理工学科、機械システム工学科、知能情報システム工学科の6学科に再編されます。情報工学科は「知能情報システム工学科」として定員を倍増し、情報工学だけではなく電気電子工学など幅広い分野を基礎から学べる新学科として新しいスタートを切ります。
知能情報システム工学科の紹介はこちらからどうぞ。
2017年12月21日から23日までタイ王国マヒドン大学で開催されたACM-ICPC アジア地区ナコーンパトム大会に参加し、東京農工大学の修士学生からなるチーム “nocow” が74チーム中8位を獲得し、Special Prize Awardを受賞しました。
(受賞に関するニュース)
nocow は学部2年の時にACM-ICPCに出場するために結成されたチーム(下記)であり、2014年度から4年間ACM-ICPCに参加しています。
以下では、チームメンバーに参加報告をしていただきました。
チームnocowメンバー:
選手
・市川遼(情報工学専攻M1,並木研)
・神谷俊介(情報工学専攻M1,宮代研)
・西川智裕(生物機能システム学専攻 M2,田中研)
コーチ
・鈴木涼太(情報工学専攻M2,中條研)
ACM-ICPCの概要:
ACM-ICPCは、ACM (Association for Computing Machinery)という計算機学会が主催する国際大学対抗プログラミングコンテストであり、その参加者数は全世界で毎年4万人を超えています。ACM-ICPCでは、競技時間内に複数の問題が出題されるので、3人1チームで競い、どれだけ多く、早く、正確に問題を解いたかを基準に順位が決まります。
例えば、迷路が与えられるので、スタートからゴールまで最短で何手で移動できるかを答える問題があります。
(問題例)
人間が解く場合には、迷路を図で表して、スタート地点からゴール地点まで辿れば求めることができます。コンピュータを利用して解く場合には、迷路の壁の情報をどう扱うかとスタート地点からゴール地点までの手数を求めるためのアルゴリズムを考える必要があります。この問題はスタート地点から幅優先探索と呼ばれるアルゴリズムを利用することで解くことができます。
ACM-ICPCにおいて、問題の読解力、解法の考察力、プログラミング能力が勝敗を分ける鍵となります。また、競技中に1台のコンピュータしか使えないため、チームワークと戦略も重要になります。nocow では、チームメンバーの3人が以下の役割を担っていました。
– 考察・プログラミング・問題の解答状況の管理
– 考察・プログラミング・デバッグ
– 数学系の問題の考察・計算機の環境チェック・デバッグ・データ作成
また、コーチは大会参加する上での必要な手続きの処理を担いました。
ナコーンパトム大会出場までの経緯:
日本からACM-ICPCに参加する場合には、毎年開催されているインターネット国内予選に参加する必要があります。2017年度のインターネット国内予選では、3時間の競技時間の中で8問出題され、391チームが競いました。nocow はこの大会で総合5位、大学別で2位を獲得し、アジア地区つくば大会への出場権とアジア地区ナコーンパトム大会への旅費助成を獲得しました。また、2017年度のつくば大会では、5時間の競技時間の中で11問出題され、45チームが競いました。nocow の成績は総合34位、大学別で26位でした。アジア地区大会のいずれかで優秀な成績(上位1、2位程度)を収めたチームが世界大会へと進みます。
競技会の様子:
ナコーンパトム大会の1日目には、大会受付と開会式、機材やジャッジ環境(回答の送信や正否判定に使用するシステム)の使い方を確認するための練習セッションが行われました。大会受付では、日本から来ていた名工大のチームと東工大のチームと合流し、情報交換を行いました。その後に開会式が行われ、各国ごとに簡単なチーム紹介が行われました。なお、本大会には10カ国・35大学の74チームが参加しました。
練習セッションでは、過去にタイで出題された問題の中から3問出題されました。通常、ACM-ICPCでは問題に正答すると風船がチームのテーブルに運ばれてくるのですが、今回は風船の代わりの飴がもらえるという変わった趣向をこらしていました。
ナコーンパトム大会のジャッジ環境は日本の環境とは当然異なっており、チーム全員が大会のジャッジ環境に短時間で慣れるため集中しました。
その日の夜には、名工大チームと農工大に留学経験のあるマヒドン大学のチームの選手と共に食事をして、タイのICPC事情などの話題で交流を深めました。
コンテストの本戦は2日目に行われました。今回の問題数は12問であり、各問題にはAからLまでのアルファベットが割り当てられていました。問題の難易度は必ずしもアルファベット順に対応しているとは限らないため、開始直後はチーム全員で全ての問題に目を通しました。
最初、全ての問題について各チームからの大量の質問と主催者からの回答が飛び交い、これらの情報を適切に把握することも重要でした。また、コンテスト中に参加者側の計算機環境でトラブルが発生して、計算機を20分間使えないという出来事も発生しました。
結果として、nocowはACEGHIJ問題を解いて7問完答で8位であり、Special Prize Awardを受賞しました。
3日目は大会のエクスカーションで”Wat Phra Pathom Chedi” と “Thai Human Imagery Museum” を訪れました。エクスカーションを通じて、日本とは異なるタイの仏教文化の一端を体験することができ、タイの文化をより深く理解できたと思います。
日本から海外のアジア地区予選に参加している大学は少なく、農工大からの出場は初めてでした。本大会はアジアのトップチームと競い合うことで、チームメンバーの考察力、プログラミング能力がどのくらい世界に通用するかを実感できた貴重な経験となりました。
情報工学科/専攻生へのメッセージ:
ICPCの魅力の一つに、チームごとにメンバーの役割分担が多彩であることがあります。そのためICPCは実のところ、チームメンバー全員がプログラミングやアルゴリズムを得意とする必要がありません。
実際、それらが得意でない弊チームの一人は計算機環境の整備やデバッグを主に担当しており、欠かせない存在となっています。本番で各人の強みが発揮され、良い順位が取れたときの喜びはひとしおです。ぜひ皆さんも周りの人を集め、ユニークなチームを結成してみてはいかがでしょうか。
情報工学専攻では、優秀な研究を行った博士前期(修士)課程学生に
研究賞を授与しています。平成29年度は次の3名が受賞しました。
・情報工学専攻 最優秀研究賞 修士2年:大岩 美春 君(杉浦研)
・情報工学専攻 優秀研究賞 修士1年:中尾 美裕 君(杉浦研)
・情報工学専攻 奨励研究賞 修士1年:宮下恵 君(近藤研)
おめでとうございます。
*情報工学専攻研究賞について:
東京農工大学大学院情報工学専攻に在籍中に行われた研究活動の中で、
論文発表、国際会議、国内外シンポジウム発表、各種表彰、特許申請等
といった顕著なる業績、貢献に対する公平・公正な審査の上、相応する
学生を選定し表彰するものです。
本専攻の石原君(杉浦研博士1年)と杉浦准教授が公益財団法人電気通信普及財団より第33回テレコムシステム技術賞奨励賞を受賞しました。授賞式は3月22日に帝国ホテルにて執り行われました。
受賞論文:T. Ishihara and S. Sugiura, “Iterative frequency-domain joint channel estimation and data detection of faster-than-Nyquist signaling,” IEEE Transactions on Wireless Communications, vol. 16, no. 9, pp. 6221-6231, Sept. 2017.